「なあ龍麻、お前さぁ、本気で桃太郎知らねぇの?」
「…まさかりを担いだ」
「ちょっとそこ座れ」
「俺に命令か?」
「すんません調子のりました。座ってください」
「分かった」
「いや、別に正座とかしなくっていいから」
「そうか?」
「桃太郎ってのは、あれだよ、昔話」
「それぐらい知ってる」
「まず最初に、じーさんとばーさんがいてー」
「どこに」
「いたんだよ!どっかに!」
「そ、そうか」
「で、えーと川に洗濯しに行くんだ」
「川に、どんな選択を」
「洗濯機とか無い時代なんだろ。それって何時代?とか言うなよ」
「ああ、洗濯か」
「お?おお、洗濯」
「それで?」
「で、上流から桃が流れてきてー」
「ふむ」
「持って帰って切ったら中に人間が入ってた」
「人間が、どうやって?」
「中が空っぽだったんだよ」
「いや、容量的に」
「圧縮されてたんじゃね?」
「骨は」
「粉砕されてた」
「そうか…」
「で、じーさんとばーさんに育てられて」
「生きてたのか!」
「うん。水ぶっかけたら蘇生した」
「粉砕された骨は」
「治った。内臓も脳も無事」
「ばかな…」
「で、えーと、無事に大きくなって」
「大きく?」
「まあ、人並みに大きくなって鬼退治する、と」
「それで?」
「それで終わり」
「…成る程、腑に落ちんな」
「だろ?」
|