劉鳳の幼少の頃の友人で、彼に恋愛感情を抱いている。
シェリスとはいわゆる恋のライバル。
父親はホーリーの出資者。その為、組織内でもやや特別扱いされる。
ネイティブ・アルターに対する国家権力の非人道的な扱いを目撃し、徐々に組織に対する不信感を募らせる。
人道主義的な観点から、主人公を初めとするネイティブ・アルター、延いてはアルター能力者への法律のあり方に疑問を抱く。それを糾弾しようとして国家権力に監禁されるが、兄貴の協力で脱出。以降はインナーとして行動する。
当初は、綺麗事を信じる「世間知らずのお嬢さん」として描かれていた。
犯罪者に対する非人道的な行為を批判するも、被害者の人権を持ち出されて黙り込む、などの浅慮な部分が多く見られ、また、そのような部分を「お嬢さんのセンチメンタリズム」と揶揄される場面もあった。
劉鳳が大好きなシェリスは、水守に対して非友好的に振舞う。
最初は、彼女はシェリスに怯んでいた。まさか自分の気持ちが誰かを傷つけるなどとは、想像もしていなかったのだろう。
恋のライバルであるシェリスと語り、彼女の生い立ち、信念などを聞き、やがて主義を通すという事は、それ以外を否定する事であるという事実に気づいたのではないか。
シェリスとの出会いは、自分が何かを得ると誰かがそれを失う、という現実を直視するきっかけになったと、わたしは考える。
冗談なのか本気なのか、いまいち判断しがたい。
あからさまに熱烈な求愛を受けて、彼女はそんな風に感じたのではないか。
しかし彼は、どこまでも一途に本気だった。水守も、やがてそれを知る。
結局、彼女が愛したのは劉鳳であり、要するに彼を振っている。
劉鳳に冷淡な反応をされて、受け入れられない痛みを知っている水守は、彼を受け入れない事を選択しているのだ。明確に言葉にする事がなかったのは、兄貴がそれを察して引いたからだ。クールでいなせな兄貴はそんな事しないと思うが、真剣に逃げ場を与えずに迫ったとしても、水守は拒否していただろう。
つまり、自分を貫く為に、他人の気持ちを拒絶した。それは、与えられるだけだった自分からの脱却を、水守に意識させたのではないか。兄貴の存在は、明確な意思表示と、その手段を考える事へと繋がってゆく。
誰かの行動を非人道的だと非難するのではなく、自らが人道的な行動をとり、それを主張とする。兄貴は、その決意のきっかけではないかと、わたしは考える。
最終的に、彼女は主義を変えなかった。
様々な矛盾や、感情的に割り切れない現実、暴力を欲する者、社会を構築するシステムとしての支配と被支配。そんなものを見続け、それでも自分の主張が正しいと信じる姿は、もう「世間知らずのお嬢さん」ではない。
全編を通して彼女が訴えているのは、ただ「人にやさしく」という、とても綺麗な言葉なのだ。
|
|