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泣き顔というのはあまり綺麗なものではないと、泣きじゃくる友人をぼんやりと眺めながら、そう思った。
彼は何事か一方的に話し始め、反応を求めるでもなくただ吐き出すように喋って、そして泣き出した。彼の言う事がほとんど理解できなかった俺は、ただ呆然と、流れ落ちる涙を見ていた。顔は綺麗じゃないけど、涙というものは綺麗なんだと、麻痺したままの脳裡で思う。
大切な人なのだろうと、どこか遠く考える。あの人が、彼にとってはかけがえのない人なのだと。そんな風に誰かを想い続けられる彼が、とても羨ましかった。
お前が気付かせてくれたんだと、濡れた瞳がまっすぐに俺を見た。それは違うと、俺は思う。気付いたのは彼自身だ。俺がいなくとも、きっとこの男は目を逸らさなかった。その事実にも、やがて気付くだろう。
本当は、薄情なほどに強いくせに。ちゃんと一人でも顔を上げて、前を向いて歩き出せるのに。まるで寄りかかるような事を言うのは、何故だろう。
しばらくしてやっと泣きやんだ友人が、気恥ずかしそうに微笑んだ。赤くなった目が、綺麗な水をたたえたまま柔らかく滲む。どうすればいいのか分からなかったが、さりとて彼を放置して帰るのもなんだか悪いような気がして、言葉もなく俺は立ちすくんでいた。
落ちた涙はいつか気化して、大気に混じって空にのぼってゆくのだろうか。そんな益体もない事を考えた。死者が空にいるなどと、俺は信じていないが、もしかしたら彼は信じているのかも知れない。遠い未来に自分が死んで、待っていた彼女は少しだけすねていて、でも優しく迎えてくれる。そんな夢を見ているのかも知れない。
泣きやんでも、彼はじっと佇んだままだった。さて、そろそろ帰ってもいいだろうかと胸中で呟きながら、しかし俺も動き出せずにいた。
自分だったらこんな時、一人になりたいと思うだろうか。それとも、傍にいて欲しいと思うだろうか。想像してみようとして、だがこんな時というのが人生に於いて一度も存在し得なかったのだと気付き、諦めた。
誰かを想って泣いた記憶など、どこを探しても見当たらない。
>そっとしておく
っていうのも、ありなんじゃないか。
でもちゃんと家まで送っていく。
花村は、心境を吐露した事で完全に番長を身内認定。
送ってくれた事で、気にされてる、好かれてると錯覚。
俺たち、もうすげぇ深い仲だよな!
>そっとしておこう
否定しなかった=肯定だ!
坂道を転げ落ちるがごとく相棒大好きになってゆく花村くん。
あと素朴な疑問なんだけど、胸を貸すのにどうして腰に手を回すの?
うん、言い尽くされてるのは分かってるよ。
でも言いたい。
番長、それは「胸を貸す」じゃないと思うよ。
個人的に萌えるのは頭を撫でるなんだけどね。
どうしてこうも主人公がことごとく欠陥人間なんだこのサイトは。
2012.05.27
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